クリスマスプレゼントをあげる習慣はとても古く、ローマ帝国時代にも同じような伝統があったそうです。スウェーデンの場合ですが、昔の農業社会では、特にクリスマスの時に慈善が大切でした。空腹の乞食にもごちそうを作ってあげました。
昔、家族にプレゼントを持って来たのはサンタクロースではなくて、Julbocken、つまりクリスマス山羊でした。バイキング人のThor(トゥール)という雷の神様の車は山羊に引っ張られていました。トゥールの山羊はクリスマス山羊とは関係があるかどうかわかりませんが、「クリスマス」のような習慣はキリスト教とともにきたわけではなく、同じような真冬の祭りはスウェーデンのクリスト教化の前にもう既に存在していました。ちなみに、スウェーデン人はまだ麦わらの山羊を飾りとして使います。
怖いことに、Midvinterblotという習慣もありました。Midvinterblotとは「真冬の流血」のような意味で、想像して見てくださ い・・・他の宗教でも動物を犠牲として捧げますね。でも、昔のバイキング人は動物だけではなく、人間も犠牲として殺したといわれます。このような捧げ物が ないと、神様が怒って春は来ない、と昔の人は考えたのでしょう。
またクリスマスプレゼントの話ですが、スウェーデン語でJulklappと言います。直訳したら「クリスマスの叩き」になりますが、意味はこれで明らかに なりませんね。実は、色々な説があります。一つによると、プレゼントをあげる人は自分を表さない方がいいということです。クリスマスプレゼントに「いたず らの詩」は書かれていたからといわれます。それで、外からドアを叩いて、プレゼントをなかに投げるという妙な習慣だったそうです。
現在、多くのスウェーデン人はプレゼントに詩(韻)を書きます。その詩を呼んだら何が入っているのかははっきりわかるはずがないですが、ちょっとしたヒントになったらいいというようなことです。例えば、小包に、
毎日の身支度
(靴ではなく)
詩を書くための想像力の内人は、テレビの「クリスマス詩ヘルプ・コーナー」やクリスマス詩の辞典を参考にします。でも、簡単な詩でもいいです。ただ、一番ばかばかしい詩をなぜかGroetrim、つまり「お粥の詩」といいます・・・
毎年「今年のプレゼント」は選ばれます。つまり、その年のクリスマスに一番流行っていて一番売れているプレゼントのことです。
次の通り:
- 1988年:Bakmaskin(ベーキング・マシン)
- 1989年:Videokamera(ビデオカメラ)
- 1990年:Wok(中華鍋)
- 1991年:Cd-spelare(CDプレヤー)
- 1992年:Tv-spel(ファミコン)
- 1993年:Parfym(香水)
- 1994年:Mobiltelefon(携帯電話)
- 1995年:Cd-skivor(CD盤)
- 1996年:Internetpaket(インターネット接続キット)
- 1998年:Datorspel(ゲーム)
- 1999年:Böcker(本)
- 2000年:DVD-spelare(DVD)
- 2001年:Verktyg(道具)
- 2002年:Kokbok(料理の本)
- 2003年:Mössa(本)
- 2004年:Platt-tv(フラットテレビ)
- 2005年:Pokerset(ポーカーセット)
- 2006年:Ljudbok(オーディオ本)
- 2007年:GPS-mottagare(GPS)
- 2008年:Upplevelse(「体験セット」)
- 2009年:Spikmatta(ヨガ用のスパイクマット・・・)
現代のクリスマス・ショッピング熱を見たら、なんか、昔の静かでシンプルなクリスマスの方がいいのではないかと思います。でも、現代のスウェーデン人に とっても、あまりにも明るい飾りと値段の高いプレゼントよりも、ちょっとした弱い光と気持ちだけを伝えるプレゼントの方がいいです。
いずれにしても、あなたもいつかクリスマスのときにスウェーデンにいたら、スウェーデンのユールを体験してね。
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