Toshiさんのストックホルム滞在記

日本人の滞在記、その2。Toshiさんが書いてくれました。
  
札幌のToshiさんのストックホルム滞在記

第一章 こちらストックホルム 

 とうとう会社(エリクソン)の出張でスウェーデンに来てしまいました。  ストックホルムで、まず思ったのが「非常に美しいのですが、背が凄く高い。」 ということでした。…えっ? 誰も女の子のことなんか聞いてないって? (^o^;)
ソーデル塔からの景色
まぁ、想像はしていたのですが、北海道に気候や田園風景などがそっくりです。 まだ、結構寒いというか、コートを着て街中を歩いている人も見掛けます。  ちょうど夏至祭 (Midsummerfestival) の季節と聞いていたので、もっと暑いのか と思っていましたので、軽装というか薄着で来てしまったのが心配です。  ところで、昨日デンマークのコペンハーゲンの空港で乗り換えをした際、シスタの 会社に電話をしようと思ってクレジットカード電話を探して、何度か電話してみた のですが、何故か全然つながりません。機械を換えて再度挑戦してみましたところ、 ようやくつながったのですが、ひどい雑音だらけで話の途中で切れてしまいました。  海外に出ると公衆電話の貧弱さが結構目に付きますが、逆に公衆電話が街の至る所 にあって、維持・管理も行き届いている日本のような国の方が珍しいのかも知れま せん。こんな理由もあって、外国では携帯電話が普及しているのでしょうか? (別に、会社の宣伝をしているわけではありませんが…。)  ストックホルムのホテルに着いてから、部屋の電話を調べてみると、まるで前世 紀の遺物のような単純な代物で、さらに困ったことにモジュラージャックではなく、 独特の形をした昔風の大きなローゼットでした。このままでは、この出張のために 購入してきた電子メール端末の出番がなくなるなと思って街をひたすら彷徨い歩き、 変換コネクタを 40SEK(スウェディッシュ・クローナ)=700円で買って来ました。  めでたし、めでたし。 第2章 スカンセンへ行きました 
スカンセン野外博物館の正門

 日本を発つ前、スウェーデン人の所長から「6月21日の夏至前夜祭にはスカンセン
(Skansen)へ行くように。」と言われていたので(つまり所長命令)真面目な部下
の私としては、命令を忠実に実行すべくスカンセンへ行って参りました。(^_^;)

 ここは、日本で言うと開拓記念村みたいなもので、昔の人たちの暮らしぶりを再現
している場所です。古めかしい建築物以外にも動物園や畑や庭園などが組み合わされ
ていて、過去にタイムスリップしたような錯覚にとらわれるような気がします。

 さて、メインイベントは、色とりどりの民俗衣装を着た村人たちによる楽器演奏と
木の葉で飾ったメイポールの回りで行われるフォークダンスです。アルプスの少女
ハイジのような格好をした小さな女の子たちが凄く可愛いかったです。

 でも、時折パラパラと小雨が降るし、結構寒かった。何せコートやジャンパーなど
冬の格好をした人たちも多かったくらいです。さすがに、踊っていた地元の人たちは
寒くなさそうでした。やっぱり、寒冷地に適応しているんですね、札幌から来た私が
言うのもなんですが…。

 スカンセンを歩いていると、前庭に多角形の小部屋を置いてあるところがあって、
私はつい「マイライフ アズ ア ドッグ」に出てくるイングマル少年のことを思い出
してしまいました。あのスウェーデン映画は、とても可愛い映画でしたね。

 歩きっぱなしで、棒が足?のようになってしまった。


第3章 ガムラスタンと観光船 
ガムラスタン(旧市街)の大広場

 私の宿は、ストックホルムの中心街から地下鉄で一駅離れたロドフーセット
(Radhuset)にあり、観光地の一つである市庁舎まで歩いて数分なので日光浴がてら
散歩するにはちょうどいいです。今日は天気が良くて実に気持が良いです。

 昨日は、ストックホルムの旧市街でガムラスタンという島を歩いて、宮殿やら教会
やらを観光していました。宮殿内では、ちょうど午後二時に衛兵の交代式が執り行わ
れていました。(いかつい顔をした兵隊さんの間近で写真を撮ってしまった。)

 しかし、この時期スウェーデンの人たちはみんなバカンスに出かけていて、何処に
行っても休業状態で不便です。今ここにいるのは、観光客ばかりかも知れません。

 天気がとても良いので、市庁舎の向い側にある船着き場から観光船に乗ることに
しました。小型のボートで一時間周遊 80SEK (1,280円) です。船から見える景色は
のどかな夏の風景で、ヨットやカヌーに乗っている人たちやのんびりと日向ぼっこ
している(^_^;)人たちで一杯でした。日本以外の先進国では毎度当たり前の光景です
が、何故か日本では一般的ではないのが不思議です。それにしても、実に羨ましい
限りですね。

 天気がまだ良いので、別のルートの船に乗ることにしました。今度は大型客船で
ドロットニンホルム(Drottningholm)まで往復 70SEK (1,120円) です。緑の豊かな
島々の間をゆっくりと進んでいく景色を観ながら、ふとカナダのバンクーバー島へ
行った時のことを思い出していました…。

 一時間ほどで波止場に着き、ドロットニンホルム宮殿内部と庭園を観光しました。
パリのヴェルサイユ宮殿に似た、自然に囲まれた非常に美しい所で、家族ぐるみで
くつろいでいる人たちが目に付きました。

 気が付くと、一日中、外でキーを叩いている…。


第4章 只今、研修中 

 いよいよ研修が始まって、英語とスウェーデン語の狭間で格闘中です。シスタは
会社の施設が集まっていて、約5000人程度の人たちが働いています。施設は申
し分のないもので、社員食堂なども質が高いです。それにしても、スウェーデン語
は難しい…というか、子音の連続が多いため、どう発音していいのか判らないこと
が多く、地名、人名、駅名などを読んだり、聞き取ったりするのは至難の技です。

 また、当地に来る前は、ヴィキングの末裔ということもありスウェーデンの人達
に対して結構派手なイメージを抱いていたのですが、来てみると彼らが凄く素朴で
シャイな人たちであることがわかりました。(案外、日本人に似ているかも…)

 今回のクラスは比較的年齢層の高い人たちばかりで、オランダ人、レバノン人、
日本人(自分)が1人ずつの他は、講師を含めてスウェーデン人が4人(うち女性
は1人)です。日本から持っていった浮世絵ハンカチは好評で、次の日にレバノン
の人からお返しとして、綺麗な靴掛けのお守りを頂きました。(^o^)

 ところで、何の研修だったっけ…。


第5章 ストックホルムの生活 

 街を歩いていると、石を投げると当たるくらいの頻度で長身のブロンド美人をよく
見かけます。日本に来たらモデルでも出来そうな女性ばかりです。スウェーデンの人
たちにしてみれば、平凡な顔だちということでしょうか。案外、バランスの多少崩れ
た顔の人の方が人気があったりして…そんなわけないか。(^o^;)

 前回出張で行った米国のダラスと違って、風船美人?…異常に太った人たちは全然
いません。おそらく食生活が質素なためと思われます。食費等が非常に高いせいかも
知れませんが、この点に関しては喫煙率の高さと同様、日本によく似ています。

 ストックホルム市内にもかなり慣れてきて、買い物などに歩き回っておりますが
商店が軒並み午後6時に(真昼間のように明るいのですが…)閉店してしまうので
ちょっと不便です。商売に精を出すことよりも、まず自分たちの生活を優先すると
いうことでしょうか?(幸い、コンビニとハンバーガー屋さんはあります。でも、
物価が日本より高い。缶コーラが10-15SEK(160-240円)です!)スウェーデン
では、年に5週間の休暇を取る権利が法律で決められていて、7月などは誰も会社
に行かないそうです。羨ましい…。

 山奥にコテージを建ててボート遊びや釣りに興じることなどは、その気になれば
北海道では十分可能だと思います。要は、やる気の問題でしょう。新型の乗用車や
電気製品を追い掛ける…飽くことのない大量生産・大量消費の生活に飽きてきたら
、日本人も自然をのんびりと楽しむようになるのかな?

 スウェーデンは、やっぱり豊かな国だと思う。


第6章 北欧の街並み・住宅  
 
市庁舎の近くのカールベリ運河

 面白いのは、ここ(ロドフーセット)の地下鉄です。ホームや地下道などが岩だら
けの「洞窟」をモチーフにした内装になっていて、まるでシュワルツネッガー主演の
「トータル・リコール」という映画のセットみたいな感じです。赤系の塗装も施され
ていて、何か火星の地下都市を思わせます。ホームへのエスカレータが凄く長いのな
んのって…実に変な雰囲気です。多分、誰かがスプレーで落書したり、煙草を投げ捨
てたりしてもあまり目立たないという効果を狙っているのかも知れません。(地下鉄
は全体的に汚いです。札幌のピカピカの地下鉄は日本でも珍しいかも…。)

 公園などを散歩していると、乾いた爽やかな空気と緑の芝生に降り注ぐ柔らかな
日差しなどを満喫することができ、やはりどことなく札幌に似ています。若い女性
が美しいことも共通点かも知れませんが、彼女たちの喫煙率の高さまで似ていたり
して…多少がっかりしました。何故か、市内の至る所に煙草屋さんが在って、結構
繁盛しているようです。やっぱり、冬の寒さと関係あるのかなぁ…。

 ところで、北海道ではカナダとスウェーデンの住宅が流行しているようです。
私の小さい頃の記憶では、冬に乾燥して凄く寒い十勝だというのに何故か純日本式
の渡り廊下と縁側のある家に住んでいて、たまに障子の張り替え作業を手伝わされ
ていたような気がします。大体、部屋を紙一枚で仕切ったり、隙がないと動かない
引き戸や窓を使っていたら、断熱効果なんて有ったものじゃない。要するに寒冷地
に適していない日本住宅を無理矢理建てていた…それしかなかったのかも知れませ
んが…。

 ランチブレイクの時にレストランの窓(当然ながら扉式)を開けてみたら、10cmは
あろうかというほどの分厚い木製フレームの二重窓、中心部分のみ金属製のサンドイ
ッチ構造でした。これなら断熱効果抜群ですね。昔から不思議だったのは、日本の家
でアルミサッシが多用されていることですが、一体何故、金属の中でも一際熱伝導率
の高い(すみません。工学部出身なもので…。)アルミニウムを使用しているのか?
ということです。お陰で私のマンションの窓などは、結露で水が滴り落ちるほどで、
ほっとくと直ぐにカビだらけになってしまいます。

 あと、日本の家では狭くて深い浴槽がほとんどですが、お年寄りや子供のことを考
えたって、西洋式の浅くて長い浴槽の方が段差が少なくて安全ですね。消費者の便宜
をはかるよりも、供給者側の都合が最優先されている全く本末転倒なことが多いです
ね、日本という国は。

 でも、某宿泊施設の浴槽だけは良く出来ていると思う。 
 
第7章 旅の終わりに
 
ストックホルム号とグレーナルンド遊園地

 ということで、長々と北欧の生活について書いてきましたが、やっと日本へ向けて
帰路につけることになりました。多分、会社の関係で再度スウェーデンを訪れる日も
そう遠くないとは思いますが、その時は違った面からのコメントを寄せたいと思いま
すので、どうぞよろしく。

0 件のコメント:

コメントを投稿

Välkommen!
1997年よりスウェーデン人が色々なスウェーデン情報をご紹介しています。